数字や漢字、仮名が交じった住所表記はミスが発生しやすいため、数字のみにすることで物流業界等の企業の業務効率化を目指します。
現在、日本の住所は表記の方法が複数あり、例えば、「1丁目2番3号」と「112ー3」が併存し、同じ数字でも全角と半角が異なるものとして認識されることもあるようです。また、郵便の住所と登記上の地番で表記が異なることも、情報共有の障害になっています。
そこで、土地や建物など不動産ごとに17ケタの数字を割り振って住所を識別する「不動産 ID」を使って、ビジネスを効率化する官民の取り組みが動き出します。
まず2024年12月に東京都港区杉並区、大阪市、札幌市など約20自治体で民間企業が参加する実証事業を始まり、日本郵便が持つ郵便受けの所在地情報をもとに割り振った番号のデータベースを、国土交通省が不動産IDと紐付けしてビジネスに活用できるようになります。
実証では企業や団体に不動産IDと住所を提供し効果を確かめます。宅配現場において住所ではなく番号を使って実際に配れるかや、作業効率が高まるかなどを確認します。国交省はこの結果を踏まえて、27年度にもIDの一般への公開を目指します。
物流大手のヤマト運輸によると、現状は住所の確認作業に全国で月におよそ4万8000時間をかけているそうです。
データベースで住所と番号を突き合わせる時点でまず住所が実在するかどうかがわかり、宅配業者の営業所間での確認作業を減らせます。
住所の誤読や送り先の建物の間違いなど誤配を少なくできる効果も見込んでいるため、不動産業界にもいい影響がありそうです。