どうすれば物件に付加価値が付いて、入居者さんに選んでいただけるか。
今もそういう気持ちで部屋を見させていただく。
■賃貸経営を始めたきっかけ
元々、今「ラフィネ道後」が建っている場所で、昭和32年から畳屋をしていました。当時は大家さんの家の2階に間借りする、いわゆる下宿形式のところが多く、その頃からよく学生さんの部屋の畳を替えに行っていました。そこで、知人の勧めもあり、昭和49年に1階を畳の作業場、2階と3階を学生さん向けの4〜6畳の賃貸物件にした建物を建てました。
■「大家」になって
各部屋に小さい流しはありましたが、トイレは共同、近所に銭湯があったので風呂はありませんでした。下宿とは違い、大家さんを気にすることなく出入りできるので、当時はとても好評でした。ただ、今のように携帯電話もなく、公衆電話を1台置いているだけでしたので、そこに電話がかかってきても誰も取らないので、親御さんはうちに電話してきて、「うちの子を呼んでくれませんか?」「最近どうですか?」となるわけです(笑)。そんな関係性でしたので、就職で松山を離れて再び帰ってきた時などには、挨拶に来られる方もいました。だから今は全くわかりませんが、当時はどんな方が入居されていたかは大体把握していました。
昭和63年くらいまで続けましたが、本業の畳屋のほうが手狭になってきたこともあり、畳屋を移転して、その後、ラフィネ道後に建て直しました。
■愛媛建物と付き合い
愛媛建物さんとお付き合いができて、いろいろなアパートやマンションに行かせてもらいながら、多くのことを学ばせていただきました。たとえば、壁紙なら1カ所が破損しても全部を張り替えなくてもいいように仕切りを入れているとか、外壁の吹き付けの際も足場を組まなくてもできる仕様とか。ラフィネ道後を建てる時は、そういったメンテナンスのことを意識しました。どうすれば物件に付加価値が付いて、入居者さんに選んでいただけるか。「勉強」という意味では、今もそういう気持ちで部屋を見させていただいています。
■「ラフィネ道後」の設備
建築当初は「自分の家のように建てたい」という気持ちが強かったです。当時はまだ温水洗浄便座のある賃貸物件も少なく、建築屋さんからは修理などのメンテナンスの手間を考えて反対されましたが、自分が家で使ってみて快適だったので導入を決めました。
■畳屋の仕事について
畳のいいところは、すぐにゴロッとなれるところ。でも今はベッドのある生活ですから、ワンルームで和室は難しいです。物件もそうですが、畳の業界も付加価値を付けていかないといけない時代です。私は18歳でこの仕事を始めて、今61歳になります。これまでいろいろな人にかわいがっていただき、お客さんに育てていただきました。改めて思うのは、やはり商売は人と人のお付き合いだということ。これからもそれを大事にしていきたいです。うちのキャッチフレーズは「笑顔とファイトのしげとう商店」。お客さんに元気を与えられるような仕事をしていきたいです。
常に「清潔な物件」を心掛け、月に1回は共有部分を清掃したり、オーナーご自身でもゴミを持ち帰ったりしている。
物件・設備データ
ラフィネ道後
住所 松山市道後今市5-14
構造・階数 鉄筋コンクリート造3階建(全14戸)
築年月 1998年8月
家賃 40,000円〜
共益費3,000円
水道料 2,000円
敷金・礼金 3カ月・なし
設備
カーテンレール/エアコン/オートロック/BS/インターホン/温水洗浄便座/シャンプードレッサー/STNet対応/照明器具(リモコン付)