
賃貸取引ではすでに2017年からIT重説の本格運用が始まっていますが、国土交通省は今年に入り、個人を含む売買取引におけるIT重説について、4月にも本格運用を開始すると明らかにしました。
重要事項説明の個人を含む売買取引を対象としたIT重説については、2019年10月から社会実験が行なわれてきました。
社会実験の登録事業者は854社。このうち110社で実績があり、2,289件のアンケートが回収されました。
購入目的は64%が「投資用」、36%が「居住用」。約9割が区分所有物件、1割弱が土地付き建物でした。
機器等のトラブルについては約9割が「なかった」と回答。約7割(67.8%)が「今後も利用したい」と回答しました。
これらを踏まえ、十分な数のIT重説が実施され、重大なトラブルも確認できなかったことから、売買取引におけるIT重説についても本格運用へと移行するとしました。
本格運用にあたり、近々に実施マニュアルを作成、宅建業法のガイドラインも改正します。
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症拡大を機に、非対面・電子書面での取引ニーズが飛躍的に拡大していることから、IT重説については、早急に本格運用へと移行。
書面の電子化についても、賃貸・売買媒介の契約締結時交付書面及び重要事項説明書等に係る宅建業法の関連規定を改正するため、一括法を含めて必要な法律案を今国会へ提出する予定です。
重説はオンラインで行うものの、その後の契約書類は事前に郵送するなど、完全電子化まではあと一歩なのが実情です。
電子化については、3月から売買取引でも社会実験を開始。賃貸取引も社会実験を継続するとしました。
この契約書類の電子化が可能となれば、顧客・不動産業者両者の負担も大きく解消されるでしょう。